【ラグビー】持ち味発揮し開幕2連勝/関東大学対抗戦 日体大戦
春のリベンジを果たした筑波大戦から2週間、慶大は対抗戦2戦目である日体大との試合を迎えた。開始5分で2トライと立ち上がりを慶大ペースで進めると、その後も順調に得点を伸ばした。前半、後半それぞれ1トライを日体大に献上するものの、安定感のあるセットプレーや力強いレッグタックルという慶大らしいプレーを発揮し、66-12で対抗戦2つ目の白星を得た。
関東大学対抗戦A VS日体大
2015/9/27(日)13:00K.O.@熊谷ラグビー場
得点
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慶大
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日体大
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前半
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後半
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前半
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後半
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7
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3
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T
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1
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1
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6
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2
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G
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1
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0
|
0
|
0
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PG
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0
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0
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0
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0
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DG
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0
|
0
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47
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19
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小計
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7
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5
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66
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合計
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12
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得点者(慶大のみ)
T=堀切、佐藤耀、辻、松村3、清水、佐野2、松岡
G=青井8
慶大出場メンバー
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ポジション
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1.PR
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堀切厚輝(環3・国学院久我山)
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→17長尾昴(環3・茗渓学園)
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2.HO
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佐藤耀(総4・本郷)
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→16松岡大介(環3・小倉)
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3.PR
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八木悠太朗(経4・慶應義塾)
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→18角田匠輝(法3・慶應義塾)
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4.LO
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辻雄康(文1・慶應義塾)
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5.LO
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佐藤大樹(総1・桐蔭学園)
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→19永末 千加良(法2・慶應義塾)
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6.FL
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廣川翔也(環3・東福岡)
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7.FL
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鈴木達哉(環3・茗渓学園)
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→20岩本龍人(政4・国学院久我山)
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8.No8
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松村凜太郎(商2・慶應義塾)
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9.SH
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南篤志(総4・清真学園)
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→21江嵜真悟(商1・小倉)
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10.SO
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矢川智基(環4・清真学園)
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→22古橋純(理4・千種)
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11.WTB
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清水祐輔(環3・明和)
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12.CTB
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青井郁也(商2・慶應義塾)
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13.CTB
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田畑万併(環4・桐蔭学園)
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14.WTB
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佐野航太(政4・慶應義塾)
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15.FB
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金澤徹(商2・慶應義塾)
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→23楠本遼(経3・慶應義塾)
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キックオフ直後から試合は動いた。前半1分、慶大は日体大のミスからボールを得ると、右サイドから左サイドへ大きく展開し最後はWTB清水が抜け先制トライを決める。続く4分には、ゴール手前でのラインアウトを獲得しモールからNO8松村がトライ。立て続けに得点し、試合のペースをつかんだ。しかし7分、ノックオンを犯すと日体大スクラムからの大きなキックパスに対応できず失点してしまい、14-7とする。ただし、決してこのままペースを譲ることはなかった。安定したラインアウトからのモールトライや、清水、CTB青井、FB金澤らの積極的なゲインからのトライなどで得点を重ねていく。さらに、日体大のミスを突いたSO矢川のグラバーキックにすかさずWTB佐野が対応する鮮やかなトライも飛び出し、前半は47-7と大差をつけ試合を折り返した。
慶大のキックオフで後半は始まった。10分、ゴール5m前でスクラムを獲得しインゴールまで押し込むも、グラウンディングする前にノックオンをしてしまう。相手スクラムで再開するものの、日体大のコラプシングで再び慶大スクラムへ。今度は丁寧にボールを運ぶと、トライを決めた。その後、慶大は19分、25分と続けてラインアウトから開始したプレーで得点を伸ばし、66-7とリードを広げる。このまま大差で試合を終えるかと思われた41分。日体大ボールラインアウトからの展開によりラインブレイクを図られ、大きなゲインを許すとそのままトライを献上。後味の悪いノーサイドとなってしまったが、66-12と確実に勝利を手にした。
FWの安定したセットプレーと、BKの「走り」を生かして実力差を見せつけた試合となった。HOは、佐藤耀と松岡と2人の選手が出場したにもかかわらず、試合を通してラインアウトは安定。「夏にラインアウトを集中して練習した成果が出た」(LO辻)と選手も成長を感じているようだ。BKは、途中出場したFB楠本のフェイントを交えたゲインなどで大きくエリアを獲得するシーンも目立ち、「走り勝つラグビー」という目標に確実に近づいている。だが、「後半なかなか点を入れられなくて失速したこと」(清水)や、試合終了間際の失点など、改善の余地もある。対抗戦開幕2連勝。慶大のさらなる快進撃に期待したい。
【ケイスポ的MOM】体格生かした活躍で圧倒的な存在感 LO辻
はじめて対抗戦スタメン出場を果たした辻雄康(文1)。「緊張した」との言葉とは裏腹に190cmの高身長を生かしたプレーは大胆そのもの。この試合でも、ラインアウトでは「自分からどんどんボールを取りに行こう」と積極的にジャンパーの役割を担い、ボールをしっかりとキープした。辻の貢献もありラインアウトが安定したこの試合では、FWのトライも多かった。まだ1年生と若いが、「強みであるアタックとずっと練習してきたディフェンス」を武器にスタメンに定着することに期待だ。
(記事 山田万里子)
金沢ヘッドコーチ
(試合を振り返って)軽いプレーも少しあったのですが、全体的には慶大のやりたいことができました。レッグドライブすることに今回フォーカスを置いていたのですが、そこがよくできたと思います。ひとつひとつのプレーにおいてタックルもアタックも力強く進めたと思います。(後半は控えの選手も多く出場しましたが)岩本はもともとAチームでも出ていたのですが、良いパフォーマンスをしていたと思います。1年生の江嵜も緊張していたようですが、彼の持っている力をしっかりと発揮できていました。(次戦はJr選手権の早慶戦ですが)Jr選手権は分析しにくいこともあるのですが、東海大戦と変わらず、運動量の多い慶大らしいラグビーをしていきたいと思います。
矢川智基主将
(対抗戦2戦目。どのような気持ちで臨んだか)相手は関係なく、しっかり自分たちのラグビーをやるということ。前回の筑波戦よりも良いアップ、良い試合内容をするということを意識しました。(大量得点でしたが)軽いパスがあったり、2トライ取られてしまったりと、まだまだ課題は多くて、満足できる内容ではなかったです。(今日のゲームプランは)相手がハイパントを蹴ってきたり、ディフェンスも前に出てくるチームだったので、アタックはシンプルにすること。ディフェンスは、相手がハイパントを蹴ってきたときにしっかり後ろに下がるというのを試合を通して意識していました。(手ごたえはあったか)ハイパントからピンチになるシーンが無かったので、ある程度できたかなと思います。(立教戦に向けて一言)激しくひたむきに自分たちのラグビーをするだけなので、しっかり練習に励んで臨みたいと思います。
辻雄康
(今日が対抗戦初スタメンだったが)最初はすごく緊張して、このジャージの重みを感じながらの試合でした。アタックでいい踏み出しができなかったのですが、春の課題だったディフェンスは意識して改善できるようにしました。セットプレーも安定することができたのでよかったと思います。(ラインアウトについて)空いていたら自分から取りに行こうと思っていたので、HOの方と話を合わせて準備しました。自分のところに沢山ボールが来て良い流れを作れたのではないかと思います。(FWのトライが目立ったが)スクラムが安定していたのと、ゴール前でのモールでボールをキープできたことがよかったです。(夏の練習について)ラインアウトを集中してやってきたのですが、今日もミスが少なかったです。夏の練習から意識していたトップオブジャンプ、最高地点でボールを取るということができていました。春にできなかったことを改善できたのではないかと思います。(今後に向けて)またAチームで出場する機会があったら、自分の強みであるアタックとずっと練習してきたディフェンスをしっかりできるようにチームのために頑張りたいと思います。
松村凜太郎
(試合を振り返って)前半は僕たちのやりたいことができました。非常に流れも良かったです。ただ、個人としてはミスが多くて反省しています。(具体的には)ノックオンが多かったです。これは自分で意識して改善するしかないと思っています。(後半はモールトライもあったが)今週一週間は、トップリーグのチームともモールの練習をしてきました。僕たちの強みにしてきた点だったので積極的に出していこうという話をしていました。(モールで押した後にグラウンディングしていたが)スクラムは、前3がコントロールしてくれて、僕は置くだけという感じでした。ただ、僕は一度ノックオンしてしまいました。次のチャンスでトライできて良かったです。(夏合宿を振り返って)走り勝てるチームにするためにFWとBKの連携を取りながらたくさん走りました。(セットプレーについては)スクラムとモールは日によって分けて練習していたのですが、ラインアウトは常に取り組んでいました。今日もラインアウトの調子が良かったのですが、これは合宿の成果だと思っています。(今後に向けて)前回はリザーブスタートでした。副将の徳永さんが怪我をされて今回先発出場できました。今後も引き続きスタメンになれるように、今日の修正をして次の試合に生かしたいです。
清水祐輔
(今日の試合を振り返って)早い段階で先制できたので前半は良い流れで試合を運ぶことができました。ただ、後半の最初になかなか点を入れられなくて失速した部分が今後の課題かと思います。(ゲインするシーンが多かったが)ここのところ前に出るということをテーマに、接点に強くいくということを目標にしていたので、テーマ通りできてよかったです。(筑波大戦から修正した点は)筑波大戦でもディフェンスで三歩前にでることをテーマに取り組んでいたのですが、今回も三歩前に出るということを意識し、改善してこの試合に挑みました。(夏合宿ではどのような練習をしましたか)夏合宿では前半特に体作りということで走りこんで激しい練習をしました。あとは、強度の高い中で、どのようなコミュニケーションをとってプレーをできるかということに取り組みました。(次戦に向けて)この調子で勝てるように頑張りたいです。